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デヴィッド・フィンチャー総選挙!おすすめはこれだ!

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色彩を抑えた暗い画作り。どこか退廃的で怖さを感じる作風が特徴である映画監督「デヴィッド・フィンチャー」


彼の作品はどれも評価が高く、その地位は確固たるものに。ということで本記事では「デヴィット・フィンチャー監督作品」をランキング形式でピックアップしました。

10位 エイリアン3(1992)

あらすじ

惑星LV426から離脱したスラコ号は突発事故に見舞われ、リプリーたちは救命艇で惑星フィオリーナ161へ不時着。
ひとり生き残り労働矯正施設に収容されたリプリーは、その星が過酷な環境にある監獄星である事を知った。事故の原因を究明しようとするリプリー。
実は救命艇内部にはエイリアンが潜んでおり、囚人の飼い犬の体を借りて新たな姿へと成長していたのだ。
逃げ場もなく、武器すらない状況下でエイリアンとリプリーの最後の死闘が始まろうとしていた……。

超人気作品の続編!だが…


デヴィット・フィンチャー長編映画デビュー作!

知らない人はいないであろう人気映画『エイリアンシリーズ』の3作目として制作された本作。巨額の製作費がつぎ込まれたのは良いものの、スタッフ陣のトラブルなども重なって、映画のとしての出来は良くないというのが世論になっています。
フィンチャーらしく宗教色強めで暗いタッチの作風は随所に見られますが、如何せんドラマ性が薄いような…。
『エイリアン3』が完成するまでに脚本家8人、監督3人がコロコロ変わったらしく、逆に「よく完成させたよフィンチャー!」と褒めたくなりますね。

栄えある映画監督デビュー!とはいかなかったものの、垣間見える彼の作家性にセンスを感じる一作です。


9位 パニック・ルーム(2002)

あらすじ

その4階建ての高級タウンハウスにはある隠された部屋が存在した。コンクリートの厚い壁。他とは完全に独立した電話回線と換気装置。そして、家中を映し出すモニターと完璧なまでの防犯システム。
その部屋が作られた目的は、たったひとつ、決して誰も侵入させないこと――。
離婚して娘とふたりだけで新しい家に移り住んだメグ。
そこへ、突然3人の残忍な強盗が押し入ってきた。メグは、咄嗟に一人娘を抱えとある部屋に身を隠す。
しかし、“パニック・ルーム”と呼ばれるその秘密の隠れ部屋こそ、彼らが目指していた場所だった……。

カメラワークの面白さ


パニックムービー、暗い画作り…。「こんなん絶対グロいじゃん…。」と思いがちなんですが、中身は意外と家族でも楽しめるような内容。
グロもなければキツめの性描写もないので、安心してご観賞ください。

家の中にいる“謎の侵入者”と娘の発作がジワジワと主人公を追いつめていく描写がハラハラドキドキさせてくれます。

暗い画面だからこそ緊迫感が漂っており、常に恐怖が横たわっている雰囲気はフィンチャーならではと言えるのではないでしょうか。
また、カメラワークも面白く、“犯人がどこで何をしているか”が分かりやすいのがグッド。
3人の侵入者がそれぞれ個性強めなのも見ていて楽しいポイントです。


8位 ゾディアック(2007)

あらすじ

アメリカ犯罪史上最も危うい連続殺人鬼と言われる“ゾディアック・キラー”を題材にした話題作。
1969年、自らを“ゾディアック”と名乗る男による殺人が頻発し、ゾディアックは事件の詳細を書いた手紙を新聞社に送りつけてくる。
手紙を受け取ったサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール(ロバート・ダウニーJr)、同僚の風刺漫画家ロバート(ジェイク・ギレンホール)は事件に並々ならぬ関心を寄せるが……。

オチがない


実際に起きた事件を基にしているのもあってか、この映画は「オチがない」です。
フィンチャーの作品と言えば「緩急のつけ方が上手い」というのが人気の理由であるのですが、『ゾディアック』に関しては真逆。ずっと地味でオチなし。

しかし!この後味の悪さこそがフィンチャーの示した“新たな作風”でもあるのです。
過剰な演出をこれでもかと言うほどに抑え、殺人鬼に振り回される4人の男を丁寧に、重々しく描いたドキュメンタリー風のタッチが独特の“薄気味悪さ”を提供してくれます。

悪い言い方をすれば「ただ疲れるだけの映画」
この疲労感と虚脱感を“味わい深い”と思えるようになるまで私は3年かかりました。


7位 ソーシャル・ネットワーク(2010)

あらすじ

世界最大のSNS「Facebook」誕生の裏側を描いた伝記ドラマ。
2003年、ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、学内で友人を増やすためのサイトを親友のエドゥアルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げる。
サイトは瞬く間に学生たちの間に広がり、ナップスター創設者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)との出会いを経て、社会現象を巻き起こすほど巨大に成長していくが……。

欲しいものを手に入れ、失くしちゃいけないものを失う


凄まじい台詞量&早口で進行していく脳みそフル回転ムービーです。
伝記映画としては考えれないレベルで写される心理描写が哲学的な雰囲気を醸し出しており、目も耳も離したくないと思わせてくれます。

脚本・演出・演技も素晴らしいのですが、何と言ってもストーリーが心に迫る!
Facebookを作り、約束された栄光を手にするまでの間に起こる裏切り、別れの連続…。
しかも主人公が“いい奴ではない”ので、色んな人に共感しちゃうんです。

見た人によって感情移入する人物が全く違い、感じるメッセージも全く違うであろう映画でしょう。
私はシンプルに「友情って大事にしなきゃなぁ…」としみじみ感じました。


6位 ゲーム(1997)

あらすじ

実業家ニコラスは48歳の誕生日に、弟のコンラッドからCRS社主催の“ゲーム”の招待状をプレゼントされる。
最初は馬鹿にしていたニコラスだが、「人生が一変するような素晴らしい体験ができる」という謳い文句にひかれてゲームに参加することにする。
やがて、ブリーフケースの鍵の紛失、スキャンダルの発覚、CRS社のオフィスの消滅と、奇妙な出来事がニコラスの周りで次々に起こり始める。
トラブルは次第に加速していき、遂には生命の危機にさらされることになる……。

騙されまくって逆に気持ちいい


いや~、ここまで観客を騙し続ける映画が存在するのでしょうか。
サスペンスというジャンル分けで正しいのかすら疑いたくなります。いや、ジャンル分けするのならサスペンス以外ありえないんだけれども。

ゲームだと分かりながら参加した場所で起こる“ありえない展開”。
人間って疑心暗鬼なもので、どれだけ「大丈夫!安心しなよ!」と言われても最悪のケースを想像しがち。
この映画はそんな人間の恐怖、混乱、憤りを巧みに表現しています。こんなに主人公の気持ちが分かる映画は中々ないかも…。

なるべく情報は入れずに見てほしい傑作サスペンススリラーです。


5位 ベンジャミンバトン・数奇な人生(2008)

あらすじ

80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。
時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。

人生という旅路の果てに


老人として生まれ、歳を重ねるたびに若返っていく数奇な男の人生。
人生を歩んできた証として刻まれる皺やシミが生まれた時から刻まれている。つまり、人生のゴール地点からスタート地点を目指す運命を背負っているんです。

人とは真逆の時を刻むが故に訪れる儚き別れ・愛…。
愛する人が老けていくのに対して、ベンジャミンは若返っていく。この事実がどれだけ残酷か。同じ時代に生きて、同じ場所にいるのに、彼ら決して“同じとき”を生きていないのです。
この奇妙な矛盾がクライマックスに訪れる感動を大きなものに成長させています。

この映画は長いです。165分もあります。しかし削るべきポイントは一つも見当たりません。
世界で一つしかない大切なものを素直な感受性で受け止められる素敵な傑作です。


4位 ドラゴンタトゥーの女(2011)

あらすじ

月刊誌「ミレニアム」で大物実業家の不正行為を暴いたジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)。
そんな彼のもとに、ある大財閥会長から40年前に起こった兄の孫娘失踪事件の調査依頼が舞い込む。
連続猟奇殺人事件が失踪にかかわっていると察知したミカエルは、天才ハッカー、リスベット(ルーニー・マーラ)にリサーチ協力を求める。

リスベットを愛でる2時間半


R15指定作品なので、残酷な描写がそこそこあります。しかし、キャラの造形をより強固にするため、必要不可欠なシーンなので我慢して頂きたい。

ストーリーも“難解”とまではいかないものの、人間関係を頭の中で整理しながら見ないと絶対に置いてけぼりになります。
この作品は物語を楽しむというよりは「リスベットというキャラを楽しむ映画」という側面が非常に強いです。
非情でクールだけど愛らしさも詰まったリスベットという完璧なヒロインのおかげで本作は高評価を受けていると言っても過言ではないはず。(ルーニー・マーラって最高だわ)

フィンチャーにしか出せないダークな世界観と狂気、愛、バイオレンス。158分という長めの上映時間ですが、気持ちのいい疲労感を提供してくれます。
ミステリー映画としても傑作ですし、奥に眠っている社会派な一面も面白い。

本作がきっかけでルーニー・マーラにハマった人も多いはず。


3位 ゴーン・ガール(2014)

あらすじ

ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。
警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。
うそをつき理解不能な行動を続けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け……。

史上最悪の夫婦喧嘩


ブラックすぎるコメディ(笑えない)映画だと思っています。
結婚5周年の記念日に突如失踪した妻・エイミー。家に残された数々の痕跡から、ミステリー仕立てのストーリーが幕開けます。
序盤から小出しにされるエイミーの痕跡に見ているこっちはゾワゾワ…。そして“あるタイミング”をきっかけにこの映画は変貌するのです。
「えっ!緩急とかってレベルじゃないよ!!えっ!!」という心の声が鳴り止みませんでした。
中盤まではミステリー、終盤はサスペンス
違う次元の魅力をフル活用して視聴者をグイグイと引っ張る力技は驚愕なんてレベルじゃ済まされません。

「That’s the marrige.(これが結婚よ。)」
この台詞を聞いたとき、震え上がること間違いなし。


2位 セブン(1995)

あらすじ

退職を間近に控えたベテラン刑事サマセットと若手刑事ミルズは猟奇連続殺人事件の捜査にあたる。
犯人はキリスト教における7つの大罪に基づいて殺人を繰り返していることが明らかに。やがてサマセットとミルズは容疑者を割り出すが、その人物に逃げられ、さらにミルズの素性が知られていたことも発覚する。
そしてさらなる殺人事件が続いた後、驚愕の事態が……

スタイリッシュ・サイコスリラー


言わずと知れた名作ですね。
猟奇的な連続札事件とそれを追う2人の刑事。超ダークな『相棒』ですわ。

本作は世界的にも大ヒットを記録したのですが、改めて見ると「なぜ大ヒットしたのか」と疑問に思います。俗に言う「エンタメ性」は皆無ですし、後味の悪すぎるラストや暗くて退廃的な街並み等々、「売れる要素が全然ないじゃん!」と感じるんです。
それなのに本作はヒットし、私も定期的に観賞したくなります。その理由はきっと「誰しもが持つ陰鬱で暗い感情」を絶妙に刺激してくるからでしょう。

臭いものほど嗅ぎたくなる。に通ずる“怖いもの見たさ”の感性を突いてくるんですよ…。
さらに、不気味でスタイリッシュな演出も相まって、最高峰のサスペンス映画として成り立ってしまった訳です。
雨が降ると見たくなっちゃいますね。これは
関連記事:映画『セブン』が大名作である理由


1位 ファイト・クラブ(1999)

あらすじ

空虚な生活を送るヤング・エグゼクティブのジャックは、謎の男テイラーに導かれるまま、謎の秘密組織「ファイト・クラブ」のメンバーになる。
そこは鍛え抜かれた男達が己の拳のみを武器に闘いを繰り広げる、壮絶で危険な空間だった。

最高としか言いようがない


タイトルだけ見ると「アクションバトル映画」としか思えないのが逆にミソ。
暴力的なシーンは随所に存在しますが、本作で伝えているテーマは「自分として生きるとは何か。」という至極哲学的なものなのです。
途方もなく、正解も見つからないような壮大なテーマを、これ以上ない美しい締めくくりでまとめ上げたフィンチャーに感謝!

どんでん返しを見せるストーリーはエンタメ性充分で最高だし、自己啓発を促してくれるテーマも激熱だし、映画史上最も美しいと言われるラストも堪らない。

1回だけ見て「おお~!おもしれえ!」と思うのも良し。
何度か見て「こんな考察も出来るのか…」と思いにふけるのも良し。

自分をぶち壊した先にあるのはきっと最高のハッピーエンドだ!


最後に

デヴィッド・フィンチャー監督の作品はどれもダークな世界観で構成されており、独特の疲労感をくれます。これがクセになるんですよねぇ。

そんなデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮を務める話題作『クモの巣を払う女』が2019年1月11日より公開!
『ドラゴンタトゥーの女』の続編ですが、キャストは一新!残念すぎる!監督もフィンチャーじゃない!!
ですが期待をしながら公開を心待ちにしています。

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