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天才作家の妻 40年目の真実 アカデミー賞6回ノミネートの偉業は伊達じゃない。

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映画『The Wife(天才作家の妻 40年目の真実)』この作品は、グレン・クローズが”グレン・クローズ”たる理由を感じられる名作になった。

2019年1月26日に日本で公開されたアカデミー賞最有力候補の『The Wife』。

主演がゴールデングラブ賞受賞、アカデミー賞には6回ノミネートされるなど名実ともに兼ね備えた名女優「グレン・クローズ」が演じています。

冒頭でも言ったように、この作品はこの女優の演技を存分に楽しめる作品になっています。

作品紹介

あらすじ

“現代文学の巨匠”と呼ばれているアメリカの作家ジョゼフはノーベル文学賞を授与されることになり、妻のジョーンと息子と共に、授賞式が行われるストックホルムにやってきた。

だが、彼らの前に記者ナサニエルが現れたことで状況は一変する。ナサニエルはかねてからジョゼフの経歴に疑いを抱いており、彼らを執拗に追い回し、問いただす。

実はジョーンは豊かな文才に恵まれており、かつて作家を志していたが、あることがきっかけでそれを断念していた。ジョゼフと結婚後、ジョーンは夫の“ゴーストライター”として、世界的作家となる彼の成功を支えてきていたのだった。これまで一見完璧に見えた2人の関係が、ジョゼフのノーベル文学賞受賞をきっかけに崩壊していく…。

作品概要

題名

『The Wife(天才作家の妻 40年目の真実)』

公開日

2019年1月26日

スタッフ

監督:ビョルン・ルンゲ
脚本:ジェーン・アンダーソン
原作:メグ・ウォリッツァー

キャスト

グレン・クローズ
ジョナサン・プライス
クリスチャン・スレーター

グレン・クローズの演技が流石の一言

まず何よりもお伝えしたいのが、グレン・クローズの最高の演技について。

そもそも、グレン・クローズの演技が良いという事は誰しもが知っている事実で、そうでなければ彼女ほどの受賞歴を持つことはできません。

しかし!しつこいまでにお伝えしたいんです!

グレン・クローズがいかに偉大な女優かということを!

※以下少々ネタバレあり

静けさが語る感情

演技の上手下手を語る上で、喜怒哀楽などの感情の起伏を、どれほどリアルに感情を伝えるかということが大事になってきます。

その方法として、泣いたり怒ったり叫んだりと様々な方法があるわけです。

そして感情を露わにした演技するほど伝わりやすく、心に響くものがありますよね。

今回の映画では、グレン・クローズが激情し激しい演技をすることはほぼありません。

それなのに、ジョーンの秘めた感情がひしひしと伝わってくるんです。

視線の動きやわずかな表情の変化、小さな筋肉の使い方で様々な感情を巧みに表現して見せてくれました。

複雑な感情をもつジョーンを見事に演じ切った

  • 自らが諦め、夫のゴーストライターになったこと
  • 過去の女性の社会的地位を明らかにしたい
  • 真実の愛を持つが故の怒り

これら全てが混ざり合い、葛藤し続けるジョーンという役柄でした。

もはやグレン・クローズが完璧に演じ切る事を疑うことは無いですが、上記のように今回の役どころは非常に複雑でした。

以上のような背景を見ると前半のグレン・クローズの何かを内に秘めたような笑顔などの表情に深みが出てきます。

喜びも不満も怒りも、自分への憤りもすべてを含んだ表情が素晴らしいです。

そして、私が最高のショットであると考えるのが、ノーベル賞授賞式でのジョーンを捉えたワンカット。

ゴーストライターの妻ジョーン。

ノーベル賞を受賞し、妻を称えるジョナサン。

ノーベル賞を受賞したのに、妻を大きく称える謙虚な夫と捉える第三者。

このシーンに映し出される、内にふつふつと湧き上がる感情を抑えるかなジョーンの表情が素晴らしい。

これにはジョーンだけではなく、この演出を作り上げたスタッフの方に大きな拍手を送りたいと思いましたね。

夫婦の複雑な関係。これこそTHE・リアル

この作品で一貫して表現するのが「夫婦の複雑な関係」

その関係性は簡単に言うと以下の通り。

男性優位の社会で、女性としてノーベル賞を目指すのは無理だと悟った妻・ジョーン。

才能は無く、体たらくな夫だが、才能のある妻に愛された夫・ジョナサン。

そして、それを知る由もない第三者からの称賛の声

これだけ見れば、ジョナサンが圧倒的に悪いように見えますが…、そんな簡単じゃないのがこの作品。

もちろん、名前を借りて出版したのはジョナサンだし、立派な夫だとは言い切れません。

しかし、ジョーンにすべてを丸投げするわけではなく、原案・編集・家事育児は夫が行っています。

そして女性だという理由でノーベル賞を諦め、夫を通じて世の中に作品を送り出すことを、自ら望んだのはジョーンであるということ。

それに加えて、「夫婦」という共依存の関係がこれをさらに複雑にしていきます。

この複雑な心情は、ラストシーンまで続いていき、物語が終わった後もその気持ちは変わることが無いのだろうと伝えてくれるようでした。

最後の最後まで複雑な関係を維持し続けて、明確に解決しないということがまさに「リアル」。

不完全燃焼だとか、終わり方が納得いかないという声も見られます。

しかし、このラストこそが『天才作家の妻 40年目の真実』のラストシーンとして相応しいと私は信じて疑いません。

予告編

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