登坂広臣・俳優デビュー作『ホットロード』 キラキラした青春が心に響く

現在公開中の映画『雪の華』で、中条あやみさんと共に主演を務める登坂広臣さん。

彼が恋愛映画で主演を務めるのは『ホットロード』以来5年ぶりのこと!懐かしい……!

ということで、登坂さんにとっての俳優デビュー作でもある『ホットロード』を改めて見てみました!

作品概要

1980年代に「別冊マーガレット」(集英社刊)で連載され、単行本は全4巻で累計発行部数700万部を突破した紡木たくの人気少女コミックを実写映画化。

『ソラニン』の三木孝浩監督がメガホンをとり、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の吉田智子が脚本を担当。

主題歌には、尾崎豊の名曲「OH MY LITTLE GIRL」が起用された。

あらすじ

望まれて生まれてきたわけではないと知り、心を痛める14歳の和希(能年玲奈)は、学校で周囲と打ち解けられず孤独を抱えていた。

そんなある日、転校生のえり(竹富聖花)に誘われて行った夜の湘南で暴走族「Nights(ナイツ)」の春山(登坂広臣)に出会い、不良の世界に居場所を求めるようになる。

次第に春山への思いを募らせていく和希だったが、Nightsのリーダーとなった春山は敵対するチームとの抗争に巻き込まれていく。

懐かしの青春ラブストーリー

湘南、不良、バイク……と、80年代の青春がギュッとつまったテイスト。

“あの頃”の空気感を残したラブストーリーに仕上がっています。

ただ、原作と違うのはヤンキー度がかなりマイルドになっていること。

原作ファンの方にとっては少し物足りなく感じるかもしれませんが、現代の若者にとってはこれくらいがちょうどいいのかも。

今どき、オキシドールで髪の毛を脱色する学生なんていませんしね…。(原作の和希は金髪です)

ヤンキー感があまり無い分、2人のピュアさが際立つストーリーになっています。

少女コミックが原作ということで、聞いているこちらが恥ずかしくなるようなクサいセリフも満載。もう、ニヤニヤが止まりません。

ただ、ストーリーはしっかりしていて、思春期ならではの不安定な感情や抑えきれない衝動が見事に表現されています。

母親の愛を感じられず、冷めた目で世界を見つめる和希と、命を投げ出すかのようにバイクにまたがり、疾走する不良少年の春山。

儚くて危なっかしい2人が寄り添うことで、お互いの心に微かな光が差し込んでいく様がとても美しく見えました。

そして、純愛に付随する形で命の尊さが自然に描かれているのも好印象。

若さゆえに無茶もするし、「死」というものを軽視してしまいがち……でも、命は大切。

そんなメッセージがストレートに伝わる演出は、多くの若者が観るであろう青春ドラマとして素晴らしいストーリー展開だと思います。

揺れ動く親子関係

この作品では、和希と母親のドラマも見どころの1つとなっています。

父親が亡くなってから母親と2人で暮らしてきた和希。

そんな唯一の家族である母から愛を感じられず、わざと母の誕生日に万引きをしたり、家出をしたり……。

寂しいからこそ反発する和希の気持ちがひしひしと伝わってきます。

そして、愛する男性と娘の間で揺れ動く母親。

木村佳乃さんのイヤな母親っぷりは見事でした。見ていて本当に腹が立つ(褒めてます!)

思春期の和希に母親の気持ちなんてわかるわけないし、母親は母親で反発する娘の気持ちがわからない。

お互い、どう接していいのかわからないんですよね。特に子供が多感な時期は。

 

母親に嫌悪感を抱く和希ですが、やっぱり子供は親の愛情を求めるもの。

自分のことを好きか?本当に必要なのか?ずっと聞けなかったことを母親に問います。

涙が止まらず、何も言えない母親。そこで春山が登場。

「おばさんこいつのこと嫌いなの?もしそうならば俺がもらってっちゃうよ」

名セリフ中の名セリフですね。個人的にお気に入りNo.1のシーンです。

どんよりとした親子関係に息が詰まりそうになっていましたが、母親の「誰にもあげない。嫌いなわけがない。」という言葉に救われました。

少し駆け足な感じは否めませんが、親子の絆を取り戻す展開はとても後味がよかったです。

能年玲奈×登坂広臣

和希を演じたのは、朝ドラ『あまちゃん』で脚光を浴びた能年玲奈(現:のん)さん。

不良少女っぽくはありませんが、ピュアさが存分に出ていてよかったです。

思春期の若者をうまく表現した、繊細かつ豊かな演技。そして冷めきった“無”の表情が見事でした。

そして、同作が俳優デビュー作となる登坂広臣さん。

登坂さんは俳優として数々の作品に出演しているイメージがあったのですが、主演を務める恋愛映画はこの作品と現在公開中の『雪の華』だけなんですね!なんだか意外。

春山の純粋だけど鋭い目つきは、登坂さんだからこそできる表情だと思います。

不器用で荒っぽいけど、時折見せる優しい笑顔にキュンとしてしまいました。

初演技を感じさせない、見事なハマり役!素晴らしかったです。

さいごに

美しい湘南を舞台に繰り広げられる2人の物語。

キラキラした青春の世界観は、いつ観ても心に響くものがあります。

まだ観たことがないは、ぜひ1度観てみてくださいね!

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