『映画ドラえもん のび太の月面探査記』 ドラえもん愛溢れる安心安定の傑作!

ドラえもんファンの直木賞作家・辻村深月さんが脚本を担当したことでも話題の『映画ドラえもん のび太の月面探査記』。
大人でも思わず涙が……?その魅力を作品の感想を交えながらご紹介していきます!

作品概要

国民的アニメ「ドラえもん」の長編劇場版シリーズ39作目。
同シリーズのファンを公言する直木賞作家の辻村深月が映画脚本に初挑戦し、月面を舞台にドラえもんとのび太たちの冒険を描いた。
監督は「映画ドラえもん」シリーズを手がけるのは3作目となる八鍬新之介。
ゲスト声優として広瀬アリス、「ロッチ」の中岡創一、「サバンナ」の高橋茂雄、柳楽優弥、吉田鋼太郎らが参加している。

あらすじ

月面探査機がとらえた白い影が大ニュースとなり、それを「月のウサギだ」と主張したのび太は、周囲から笑われてしまう。
そこで、ドラえもんのひみつ道具「異説クラブメンバーズバッジ」を使い、月の裏側にウサギ王国を作ることを計画する。
そんなある日、不思議な転校生の少年ルカが現れ、のび太たちと一緒にウサギ王国に行くことになったのだが……。

※核心に触れるネタバレはありませんが、気になる方はお気を付けください!

安定のストーリー展開

月面探査機が捉えた白い影の映像から物語は始まります。

その謎の影を「月のウサギ」だと自信満々で主張するのび太に対し、クラスメイト達からは笑いの声が…。
悔しい思いで帰宅したのび太はドラえもんに相談。
するとドラえもんがひみつ道具を取り出し、のび太の言う「月のウサギ」説を叶えてくれることに。

ドラえもんシリーズでは「お約束」の展開。もはや安心感すら覚えます。
この物語序盤の流れは、何度見てもワクワクしてしまうものですね。

メルヘンな世界観

物語の主軸となるドラえもんのひみつ道具は、「異説クラブメンバーズバッジ」。
多くの人が長年信じてきたが「定説」とはされていない考え方を具現化し、バッジをつけている間だけその世界に行くことができるという道具です。

その道具を使って月に「ウサギ王国」を作るのび太たち。
月をウサギたちが住める状態にしてから、紙粘土でウサギを作成…。
なんとも可愛らしいウサギたちの世界が広がっていきます。

ムービットと名付けられたウサギたちが、月の世界にやってきたのび太たちを歓迎するシーンでは、カラフルなおやつが続々と登場。
これは子供心をくすぐる…!だけでなく、大人もときめく…!!

月の裏側が本当にこんな世界だったら素敵だなぁ…と、
楽しい気持ちにさせてくれる夢のようなシーンとなっていました。

ルカのカッコよさ

今回、物語の鍵となっているキャラクターのルカ
のび太たちの学校にやってきた、不思議な雰囲気のある転校生です。

このルカが、とにかく魅力的!

可愛らしさとかっこよさを絶妙にミックスした存在感。そして、声優を務めた皆川純子さんの魅力的な少年ボイスが合わさって、すっかり心奪われてしまいました。

月の世界に悪者が現れたとき、ルカは仲間を助けるために自分が捕らわれる決断をします。
この時のルカの言動にはグッとくるものがありました。
本作の中でも特に印象に残るシーンの1つです。

のび太たちの決断

無事に地球に戻ったのび太たちは、友達を救うためにもう一度戦うことを決意します。
そこで、子どもたちが葛藤しながらも、それぞれの想いで覚悟を決める様子が丁寧に描かれていたのがとてもよかったです。

特に、最後まで行くのをためらっていたスネ夫。
友達のためとはいえ、恐怖心があるのは当たり前のことだと思います。
それでも、川に映る月を見て決意を固め、みんなの元へ向かう姿がすごくかっこいい!

遅れて集合場所にやってきたスネ夫は照れ隠しでみんなに言い訳するのですが、その時にはもう涙をこらえることができませんでした。

ドラえもん愛

今回、脚本を担当したのは『ツナグ』や直木賞受賞の『鍵のない夢を見る』で知られる小説家・辻村深月さん
彼女にとって初の映画脚本となります。

辻村深月さんといえば、自らを「ドラえもん」ファンと公言していることでも有名です。
2005年に発表した作品『凍りのくじら』では、章題を全てドラえもんのひみつ道具の名前にしたことでも話題になりました。

そんな辻村深月さんが描いた物語ということもあり、作品全体にドラえもん愛が満ちていたように感じます。
丁寧に描かれた、ドラえもんシリーズ「お約束」の展開。
そして、のび太やジャイアンなどのキャラクターそれぞれの特徴や良いところがしっかりと表現されていたのがとても印象的でした。

実は、2013年ごろに『ドラえもん』映画脚本のオファーを「一生ファンでいたいから」と断っている辻村さん。
しかし、多くのクリエイターがドラえもんを支え続けてきた姿を見て『次の1年へつなぐためのバトンをもらってほしい』と言われたのではないか?と解釈し、ドラえもんへの恩返しのつもりで引き受けたそうです。
これほどの深い思いが詰まった作品…、これは必見ですよ!

主題歌「THE GIFT」

映画「ドラえもん」といえば、心に沁みる主題歌も注目のポイント。
これまで、平井堅さんの「僕の心をつくってよ」や秦基博さんの「ひまわりの約束」など、やさしく語りかけるような楽曲が起用されてきました。

今回主題歌に選ばれたのは、平井大さんが歌う新曲「THE GIFT」
この曲がまた涙を誘う…!
〈忘れないで 僕らが出会えたキセキを〉などという歌詞が心に残るバラード楽曲となっています。

サブスクリプション発の世界では大きな人気を誇る平井大さん。
正直、音楽に疎い私はあまりよく知らなかったのですが…
本作の楽曲を聞いて一気にファンになりました。耳に心地よく響く歌声がたまりません。

この作品にはもちろん、卒業シーズンの今の時期にピッタリの楽曲です。

まとめ

「ドラえもん」シリーズの魅力がたっぷりつまった『映画ドラえもん のび太の月面探査記』。
綺麗にまとまったストーリー、そしてグッとくるメッセージに大人も夢中になれること間違いなしです!

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