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“顔に傷のある悪役”すら許されないのか。英国映画協会の決定について思うこと

先日、英国映画協会(BFI)から声明が発表されました。その内容は「顔に傷のある悪役が登場する映画には今後、資金提供はしない」というもの。

BFIは兼ねてより「Changing Faces」という“顔に傷があってコンプレックスを抱える人たちを支える団体”のチャリティーキャンペーンを支持していることから、今回の動きとなりました。
BFIはこのプロジェクトをサポートする最初の組織で、病気などによって顔面に損傷が出てしまった人々を助ける為に尽力しています。

BFIの副CEO、ベン・ロバート氏は「私たちが資金提供した映画の中に、傷跡や顔面の違いを通して描かれたネガティブな表現がないように全力ではたらきかけているのです。私たちはChanging Facesのキャンペーンを全力でサポートしますし、映画界全体が動揺となるように祈っています」
とコメント。

またChanging FacesのCEO、ベッキー・ヒューイットは「映画は世の中に多大な影響をもっているのです。悪役であることを強調する安易な手段として、傷跡や人とは違った見た目が使われ過ぎています。特に心配しているのは映画を観たあとの子ども達への影響です。」
とコメントし、映画における表現方法に苦言を呈しました。


どうも腑に落ちない

まず前提としてBFIが実施している“Changing Faces”へのサポート活動は素晴らしいものです。そこを否定する気は毛頭ありません
だからと言って映画の表現方法にまで口を挟んでくるのは如何なものか

確かに映画の持つ影響力は、時に予想以上のものがあります。しかし、フィクションなのです。創作されたものでしかない
「顔に傷がある悪役」がいたとしても、その悪役が傷を負った深い理由や行動の一貫性があれば視聴者はその悪っぷりにカリスマを感じるのはず。

『007』より”エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド”

さらに腑に落ちない点がもう一つ。BFIやChanging Facesの声明を聞く限り
「顔に傷のある悪役を出すことで、現実でも顔に傷のある人たちが虐げられる。特に子どもたちへの影響を懸念している」
というようなことを言っているのですが、“傷がある人を虐げる”なんて愚かな子どもの方が少ないでしょうし、そんな子どもは早急に躾をしてくれ!子どもだって「良い事」「悪い事」の区別くらいつきます。5歳の時にバイキンマンのことを本気で憎んでた私が言うんだから間違いない。

映像作品を規制する際によく使われる「現実への影響」という言葉。
しかし、現実とフィクションが混同している人なんて私は見たことがありません。顔に傷のある人を見て「あの人は悪い人だな」と思うわけがない。せいぜい「何かあったんだな。」と思う程度です
『ダークナイト』のジョーカーだって、あいつの顔が傷付いているから悪役だと感じるわけはなく、ジョーカーというキャラの過激さ・イカれ具合を見て悪役だと判断しているまで。

今でさえポリコレへの配慮でギチギチになりつつある映画界。規制を唱える方々は、現実とフィクションの区別をしっかりと付けるべきです。
「自分たちに都合の悪い事は全部規制してもらう」などという馬鹿げた考えは早急に取り消したほうが良いと私は思います。

規制を唱える団体が主張するほど、多くの視聴者はフィクションと現実の世界を混同させていない。むしろ過激な規制を訴えかける団体の方が盲目気味になっている気がしてなりません。

仮にも「映画協会」と名乗っているのに、自ら表現の幅を狭めるような決定をしたBFIには正直ガッカリしました。
勿論BFIが資金提供をしないからと言って、世界の映画界全体に多大な影響を与えるとも言えませんが、行き過ぎたとしか思えない規制をスタンダードの考えにするのだけはやめて欲しいものです。

極論、全ての人に配慮するなら映画なんて作れなくなってしまいます。
“キレイごとばかり並べた映画”なんて見たくないのです。人生の酸いも甘いも教えてくれる映画がこれからも作られていくことを願っています。

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