『耳をすませば』大人が引き込まれる超青春ラブストーリーの魅力

ジブリ作品の青春物語『耳をすませば』

小説家を夢見る少女とバイオリン職人を目指す少年の恋愛模様に、なぜこんなに引き込まれてしまうのか……。

恥ずかしくなるけどまた観たい!その魅力と注目のポイントを書き出してみました。

作品概要

スタジオジブリが、柊あおいの同名少女コミックアニメーション映画化。

キャッチコピーは「好きなひとが、できました」(糸井重里)

中学生の男女が繰り広げる淡い恋愛模様を、さわやかなタッチで描く。

監督は、「火垂るの墓」「魔女の宅急便」でキャラクターデザイン・作画監督を務めた近藤善文。

あらすじ

読書好きな中学3年生の少女・月島雫は、図書館で借りてくる本の貸し出しカードの多くに「天沢聖司」という名前があることに気づく。それ以来、顔も知らない「天沢聖司」の存在が気になり始め、どんな人なのかと思いを馳せるようになる。

夏休みのある日、図書館に向かう途中で遭遇した不思議なネコを追いかけるうちに、雫は「地球屋」という不思議な雑貨店に迷い込む。やがて店主の孫の少年が「天沢聖司」であることを知り、2人の距離は少しずつ縮まっていった。

しかし、バイオリン職人を目指す聖司は、中学を卒業したらイタリアへ旅立つことを決めていた。その姿に刺激を受けた雫は、本を読むばかりではなく、自らも物語を生みだそうと決意するが……。

恥ずかしくなるほど甘酸っぱい

中学3年生の雫と聖司。

まさに思春期ど真ん中の2人が繰り広げる恋愛模様は、観ているこちらが恥ずかしくなるくらい甘酸っぱくて爽やか。

ゆれる乙女心、純粋に相手を思う気持ち、そして将来に対する不安と希望。

私にもこんな透き通るように美しい青春時代が・・・いや、無かったな。(将来の不安くらいはあったかも)

でも、どこか懐かしさを感じるストーリーに心をグッと掴まれ、「青春って素晴らしい!」と心の底から思える。

リアルに感じるファンタジー

図書カードに書かれた名前から、姿のわからない「天沢聖司」に雫が思いを馳せるシーンから物語は始まる。

実際に会った聖司は想像とは全く違うタイプのヤツだったのに、ひょんなことから2人は惹かれ合うようになり・・・

なんて素敵な展開なんでしょう。

ただ、冷静に考えてみると、そんなこと現実ではほぼありえない。ファンタジーの世界。

それなのに、この物語には親しみを感じる。それはなぜなのか?

リアルな街並み

オープニングの夜景に始まり、物語の舞台となる街並みがリアルに描かれているのがポイントとなっている。

実際にある学校や駅周辺の情景がモデルとなっているのだ。

現実の世界にありそうな背景。それが、観る人を作品の世界観に引き込む。

登場人物たちへの親しみやすさ

ジブリ作品には、数多くの個性的なキャラクターが登場する。

だが、この物語に登場する人物たちは、みんな“普通”にいそうな人ばかり。

非現実的で特殊なキャラクターが出てこないのだ。

ごく普通の生活を送っていそうな登場人物だからこそ、身近に感じられる。

 

現実味のある背景やキャラクターと、ファンタジーの世界のようなストーリー。

これらが交じり合うことで、作品の世界観がとても魅力的に感じられるのだろう。

聖司の声は14歳の高橋一生!

この作品で聖司を演じるのは、高橋一生さん。

現在では大人気俳優の高橋さんだが、当時はまだ14歳!

今の低音ボイスも素敵だけど、まだ幼さの残る聖司の声も初々しくて最高!

また、雫の声は『おもひでぽろぽろ』『猫の恩返し』にも出演している本名陽子さん。

保健室の高坂先生を「名探偵コナン」江戸川コナン役や『魔女の宅急便』キキ役で知られる人気声優・高山みなみさんが演じる。

豪華声優陣の共演にも注目だ。

隠れジブリ

ジブリ映画といえば、他の作品のキャラクターなどがひっそりと登場していることもお馴染み。

そんな遊び心のあるスタッフさん、素敵です。

もちろん『耳をすませば』にも、隠れジブリが・・・

学校の図書館で、雫が本を探すシーン。

よーく見てみると、「TOTORO」と背表紙に書かれた本があります。

また、バロンの人形が制作されるシーンでは中トトロと小トトロ、そして『魔女の宅急便』のジジが登場!

雫が地球屋で出会った古い柱時計の盤面には、『紅の豚』の主人公ポルコ・ロッソの名前が。

ボルコが作った時計なのか・・・?

このシーンでの「この時計を作った人はきっと、”叶わぬ恋”をしていたのでしょう」というセリフが印象的です。

 

1回観ただけではなかなか気づくことのできない隠れジブリ。

ご紹介した以外にもジブリ関係のキャラクターや設定が隠れているので、細かい所にも注目して見てみてください。

何度も観たい青春物語

「カントリー・ロード」の歌詞にもあるように、“帰りたい”けど“帰れない”青春がこの作品にはギュッと詰まっています。

今となっては、なんでそんなことで?と思える思春期の頃の悩みなんかを思い出したりして、懐かしさにジーンとしてみたり・・・

何度観ても心が揺さぶられ、そして何度観ても恥ずかしくてニヤニヤしてしまう。

自分の心のどこかに眠っている“あの頃”の純粋さが蘇るような、そんな素敵な作品です。